2013/05/26

私、産みます

自分が結婚しているという事実にも未だにたまにびっくりするのに、今秋には母になります。

わかったのは冬の終わりだったんですが、予定は10月だし、まだまだ先の話だわ〜とのんびり構えてたのですが、気がつけばもう折り返し地点に立ってました。この調子だと気がつけば産んでましたという羽目になりそうなので、そうそうできる体験でもないし、今までの流れというか、気持ちでも書き留めておこうと思います。長いよ!

妊婦になりました
月のアレが遅れてたのですが(生々しくてすみません)、今までも何回かあったので別にどうとも思っていませんでした。買い物ついでにゲットした検査薬で調べてみたら、見事ビンゴでびびったという話です。トイレで思わず「ああ?!」と叫んだんすよ…。

今年で結婚2年目だし、年も丁度いいし、周りの友達で母親になっている人はもう何人もいたし、別段びっくりすることでもなかったのですが、まさか本当に自分が妊娠するとは思っていなかったというのが正直な感想です。

前々から妊娠したらどうやって夫をびっくりさせてやるか…ふふふ…と色々画策してたのに、実際そうなってみるとびっくりしたのは誰よりも自分だったので、夫にはトイレで検査薬の写真を撮ってメールするというロマンスもへったくれもない方法で伝えました。これは今も思い出す度に悔しい。

現実を見るんだ!
夫は夫でもう一回検査するまで信じないよ…と大きい目を更に見開いてプルプルしていたので、仰る通りに今度は高いやつで調べたら線ではなく、"pregnant"という言葉を突きつけられました(デジタルのはこの時点で妊娠何週かも教えてくれます。すごい!)。ここで諦めろって話ですが、その後も懲りずに何回か検査しまして勝率は実に10割、ついに自分達が親になるという事実を夫と共に認めたわけです。

妊婦生活、始めました
日本ではすぐに産婦人科にかかれて、超音波検査で赤ちゃんの姿が即確認できますが、ここイギリスでは何と12週目になるまで何にもありません(お金を出せば別ですが)。自宅で検査した後に産院に登録するためにGP(かかりつけ医)に行きますが、そこでするのも自宅と同じ尿検査での確認、あとは妊婦生活の心得的なリーフレットを渡され、あとはひたすら初めての病院での検査まで待つという日本人からしたらあり得ない流れです。(自宅で検査して陽性だったことを伝えたら、「それなら確実だね!おめでとう!」で済まされ、尿検査さえしてもらえないという話も聞きます。何だそれ。)

とは言っても初めての妊娠でただでさえ色々心配なのに、日本語で「妊娠初期」を検索すると流産の話がものすごくたくさん出てくるので全然気休めにならず、これは12周まで待ってたらハゲるわと思い、プライベートの有料機関でマイベイビーの姿を確認することにしました。(因みに英語だと初期流産の話は「流産」とピンポイントで探さないと出てきません。こっちがゆったり構えすぎなのか、日本人が心配しすぎなのかはわかりませんが、お国柄が出てて中々おもしろいよね。)

初めて見る我が子は体長10mmで豆のような形をしていました。人間とは全然呼べない形なのに、心臓はもう動いていてピコピコしているのを見て「極小親指サイズなのにすごいテクノロジー!」と明後日の方向に感動したのを覚えてます。

大きさから判断して6週目で、 予定日は10月中旬ということを伝えられ、おめでとうという言葉を頂いたものの、自分が妊娠して母親になるという実感はここではまだまだありませんでした。

つわり
これについては私はかなり軽い部類だったと思います。吐いたり寝込んだりもなかったし、特定の匂いが駄目ということも食べられるものが限定されていたこともなく、妊娠がわかってから今まで大半は普通に生活してました。仕事も運動も旅行もマッサージもがんがんしてたしね。

何でもおいしい幸せな妊婦
でもやっぱり一番重いと言われている時期は胸焼けがひどくて、ちょっと食べただけでお腹が一杯になって気持ち悪かったし、家事も全然ままならない状態で夫に丸投げになってしまったので、この時点で週3の頻度で通っていたジムは一旦断念することにしました。

ゲロゲロ吐いて人生最大の痩せ期がくるという間違った期待が大外れに終わったのは内緒だぜ!

病院と、どこで産むか
イギリスの公的医療は基本的に全て無料なので、全ての検査・出産費用ももちろん一切いりません。

言葉だけだと素晴らしいシステムに聞こえますが、その分何事もない限りは超音波検査が12週と20週の2回のみ、あとは助産婦との複数回の面会と両親学級だけで出産を迎えます。そして産んだら産んだで、こちらも特に問題がなければ一日で病院を追い出されるという、日本の至れり尽くせり何でもします!という神様待遇との雲泥の差の話を聞いていたので、こんなところでは産めない!絶対に里帰り出産するんだ!!と決めていました。

が、我が家の場合はイギリス⇆日本間なので、本当に日本で産むとなると一年くらいはイギリスを離れることになります。夫は私がそうしたいならそれでいいとは言ってくれていましたが、この話題になるとその顔だけで子犬数匹は殺せるんじゃ?というくらいそれはもう悲しそうな顔になるし、初めての子供なのに出産にも立ち会えない、最初の数ヶ月も一緒に過ごせないというのはいくらなんでも酷かと思ったので、腹をくくってイギリスで産むことにしました。

病院の真向かいにある国会議事堂
もちろんお金さえ出せばプライベートの産院で日本並の待遇が受けられますが、それはセレブのみに許された特権なので(涙)、一般庶民の私は国民健康サービス、通称NHSを利用して産むことになります。上では安かろう悪かろうみたいな書き方をしましたが、少しでも不安要素がある場合は回数制限なく検査もしてもらえますし(実際私は16週検診がありました)、24時間体制の妊婦ホットラインもあり、産後は一日で強制退院と言ってもその後は自宅まで助産婦が色々面倒を見に来てくれるんだから、そこまでひどいものではないです。日本は出産一時金で後から戻ってくるけど、何十万も取るからこその神様待遇なんだろうから、無料のNHSと比べるのはよくないよね。ていうか実際よくやってくれてると思います。

そうは言ってもたま●よやらの妊婦雑誌を読む度にイギリス大丈夫かよとちょっぴり不安になるのは事実なので、こっちの医療は日本からわざわざ看護師さんが研修にくるレベルなんだし、私の病院はあのナイチンゲールが建てたものだし、病室からはBig Benも見えるしと、ありとあらゆる気休めを考えては不安な心を静めています。

まあここはプライベートの有料機関とうまいこと組み合わせながら柔軟にやっていこうと思います。


夫のミリタリー式育児本
私と同じく最初は全然実感もなかった彼ですが、父親のハウツー本や高価なカメラを買ったり、今後の財政プランを考えたりと段々父親になる自覚が出てきたようです。今までもしっかり者の長男でしたが、ここ最近になってそれに拍車がかかったのか、何でもかんでもやってくれるのでぶっちゃけ非常に楽です。

のろけになりますが(えへ)、家事もするし食事も弁当も作るし、あれが食べたいと言ったらすぐにパシってくれるし、足がむくむと言えば揉んでくれるし、妊婦生活についての文句も黙って聞いてくれるし、両親からは絶対に離婚されるなと毎回きつく言われるくらい私に対して献身的な優しい夫です。

今更ですが書いてて甘えすぎてるなと思ったので、ちょっと心を入れ替えようと思います。ごめんよ夫。

今後
ようやく安定期にも入り、お腹も気がつけば結構出てきました。体重ももちろん...増えてますよ...。イギリスは体重管理は全然厳しくない、というかあってないようなものなので、油断してると大変なことになってしまうのです。私のかかりつけの美容師は何と20キロ増えたと言ってました。ギャー!ひと月に1キロ増を目標に徹底したカロリー管理をしているのですが、それでもなぜか増えていくのが最近の悩みなので、そろそろジムに戻って軽い運動でもし始めようかなと思ってます。マジで。

再来週には5ヶ月に(日本でいう6ヶ月)に入るので、多分産むまでもうあっという間なんだと思います。産休をいつからいつまで取るかとか、ベビーグッズを揃えるとか、両親学級とか、家はどうするのかとか、考えることはたくさんあるのでそろそろ本腰入れて一つ一つ片付けていかないとやばいことになる気がします。しかも私は今年予定日間近にイギリス永住権の申請もしないといけないので、それに備えてのテスト勉強もあるしで、今年の秋はものすごく大変です。あーもうあーもう。テスト勉強なんて大学以来してないっつの!

来月は福岡に2週間だけですが帰ります。本当は夏に帰る予定は全く無かったのですが、ここを逃すと来年の春頃まで無理なので、夫に泣きついて航空券をゲット。イギリスは体重は気にしないくせに、食品制限のため食べさせてもらえないものが多いため、寿司やら何やら食べまくってきます。

16週、やっと人間ぽい形に
赤ちゃんの性別は前回の検診で9割方わかっているのですが、次の検診で確定と言われているので、とりあえずまだ秘密です。実は希望していた性別の逆なのですが、それはそれで色々楽しみになってきたので、本当はどっちでもよかったんでしょうね。子供はどちらかというと苦手な私なのですが、いざ産まれたらきっとすっごい我が子ラブ!なうざい親になるんだと思います。それはそれで新しい自分発見ということで許して。

胎動らしい胎動はまだ感じていないのですが、たまにこれかな?と思うものがあるので、私達が準備できていようといまいととお腹の中の子は日々大きくなっています。どんな子が産まれようとも、私達の人生に大切な人が一人増えるのは本当に幸せなことだと思います。妊娠•出産•育児は初めての連続になりますが、夫と二人で、皆さんの力を借りながらまったりやっていきたいです。怖いけど楽しみだよ今秋!